平成26年1月の予定
11月 2013

あっという間に11月も半ばです。今日は素晴らしい秋晴れ。陽の光がお茶室に差し込んで、ほっこりと幸せな光にあふれていました。気持ちのいいお稽古日和でした。
本日のお軸は、「秋晴れや空にはたえず遠白き 雲の生れて風ある日なり 牧水のうた」。
お花は水仙でした。背の高い美人さんですね。
お菓子は、栗の渋皮煮に紅芋餅がくるまれていました。もちもちのお餅にほっくりとした栗が絶妙です。
美味しいお菓子に、美味しいお茶。お茶室で過ごす時間は、一週間の疲れをゆったりと癒してくれました。(宗裕)
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夜咄から間もなくでしたので、余韻に浸りながらのお稽古でした。
お稽古の始まる前に、夜咄で使いました、照明器具の蝋を落とす作業を早く来られた方々で行ってくださいました。
今月のお稽古は、夜咄に引き続き好文棚です。お棚の菱形と同じく、水差しも菱形。浮き出た模様に呉須がのせられていてます。濃淡のあるとてもきれいなブルーが印象的です。
本日のお軸は「秋月照湖上」。最近夜に空を見上げると、明るい月が目に入りはっとさせられます。
お花は菊が二種、ホトトギス、寒桜、紫色の秋の狗尾草。
お菓子は栗餡に粉なしの生地がくるまれていました。花弁に見立てられているのは柚子の粉でさわやかに後を引きます。栗餡はつぶつぶ感があって素朴な味わいです。残り福でもう一つ頂き、有り難きシアワセでした。
お干菓子は、イチョウの雲平と金沢坂尾甘露堂の麩焼きせんべい「加賀の茶室」でした。振り出しには餡子玉が入っていました。(宗裕)
台風26号が今週半ばに近畿近くを通過しました。伊豆大島では大きな被害が出ています。次の台風も迫っていて、心配な週末を迎えています。
本日のお軸は松と海が描かれています。眺めていると先生から以前に伺ったお話を思い出していました。先生の子供時代、芦屋から甲子園まで海沿いに松林がずっと続いていたそうです。先生はその間を行き来しながら遊ばれていたそうです。映画「火垂るの墓」にも昭和20年頃の香櫨園浜の松林の風景が出てきます。見た事はありませんが、懐かしいような気持ちになりました。
お花はりんどう、ホトトギス、水引き、すすきでした。
主菓子は先生手作りの枝豆餡がこなしに包まれ、大徳寺納豆が乗っていました。お口の中でそれぞれの持ち味が一体となって、体がぞくぞくっ、とするほど美味しかったです。
普段は遅目の時間に来られる学生さんが、実験が出来なかったからと珍しく早くに来られて、久しぶりにお茶を点ててくれました。お茶碗の中に丸いものが浮かぶ景色が出来ていて美しい、と話していたところ、先生がお軸やお花と組み合わせて「松林、すすきの野、そして海の上に月が出ているのね」と・・・途端にお茶室が秋の夜の海辺に一変しました。ドラえもんの「どこでもドア」のようにどこへでも行ける。そんな瞬間が大好きです。(宗裕)
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今日はお天気が良かったので、炉開きに備えて灰の準備をしました。
お稽古の合間に順番に庭に出て、灰をふるいにかけ、しっとりした灰が仕上がりました。
土遊びのようで楽しい作業でした。灰はこのように手間と時間を掛けて作られるのですね。
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去る9月22日、大徳寺大慈院で執り行われました法要に、先生と社中の皆様と参列して参りました。
菅田宗匠は、山中先生が長年師事された宗匠であり、私たちは孫弟子にあたります。深く敬愛されている菅田宗匠とお別れされた先生のお気持ちを思うと私たちも深い悲しみに沈みました。
私たちは幸いなことに、菅田宗匠がお茶席を持たれる時などに、お運びのお手伝いでお目にかかる機会をいただいてきました。
近いところでは、昨年秋の南宗寺献茶式の家元懸釜濃茶席、又今年のお正月の今宮神社献茶式の高麗橋吉兆本店でのお茶席のお手伝いの折にもお会いすることができました。
終了後は慰労会を催して下さり、厚かましくもご一緒させていただきました。お茶席では凛とされていてお話をさせていただくのも憚られましたが、慰労会ではご家族の皆様に囲まれて本当に楽しくお幸せそうで、ご家族を大切にされてきた家庭人でもあることが伺えました。
山中先生が常々菅田宗匠のお言葉として伝えてくださっていますのは、「おいしいお茶を点てなさい」というとてもシンプルな言葉です。簡単そうなことが一番難しい。お茶を点てるのもそうですね。相手の方の状態を想像しながら、どのようなお茶をお望みかを汲み取ってお点てする。一生かかって学んでいくことなのかもしれません。
菅田宗匠の講演会でお伺いして印象的だったのは「お茶事をしなさい」ということ。お茶事をしないと、本当の意味での茶道が分からないとおっしゃっておられました。そして「お茶席は天国のようなところ」ということ。おもてなしによってお客様を天国へお連れできるのですね。
今頃菅田宗匠は本当の天国で、どなたとお茶事を楽しまれていらっしゃるのかと勝手ながら思いを馳せております。
どうかこれからも未熟な私たちをお見守りくださればと存じます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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今週は台風18号が関西を通過し、京都や滋賀などお茶にゆかりの深いところにも被害が及び、ずいぶんと心配しました。
お稽古場のある西宮市もかなりの風雨で、「家が揺れて眠れなかった」「風が怖かった」という声が聞かれていました。
さて、本日のお軸は「雲悠々水混々」。台風の後には自然の偉大さを思わずにはいられません。お花は白の桔梗、白と赤の木槿、矢筈葦のすすきでした。
お菓子は、先生お手製の栗餡入りの葛まんじゅうでした。上に乗っていますのは大徳寺納豆。栗は先生が水飴で炊いてくださったもので、それに葛と大徳寺納豆が合わって、唯一無二の深い味わいでした。お干菓子は先生が下呂温泉で求めてきてくださった、麦粉と和三盆の落雁、とちの実せんべい、やま柿でした。どれも秋らしい滋味にあふれた素朴な味わいのお菓子でした。
季節は秋へ向かっていっているのですね。
今日は夜咄ってどんなお茶事?から話が発展していき、ぜひともと熱望する声に先生が応えて下さり、炉開茶事を夜咄茶事にかえて開かれることが決まりました。
秋の夜長のお茶事はうっとりといいものでしょうね。(宗裕)
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